埼玉県狭山市の自動車整備工場、FTECコーポレーションが、主に特殊整備にカテゴライズされる業務内容を紹介するブログです。

メルセデスのブレーキ整備

メルセデスベンツ CLK200 (W209) です。
ブレーキのルーティンメンテナンスで入庫しました。

前用のパッドセンサーが、既に接地しています。
プライマリーチェックの結果、前後のディスクパッドと前ローターの交換を決定。


 しかし、着手前に5分ほど試乗すると、なんだかペダルタッチが曖昧です。
弱い踏力でペダルに触れてから制動力が立ち上がるまでに、妙なズレがある。

どうやらパッドとローターの他にも、要整備箇所がありそうです。

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このクルマの走行距離は、まだ 50,000㎞ を越えたばかり。
しかしながら、前左右ハブベアリングに容認できないガタが見つかりました。

ハブベアリングの遊び量が大きくなると、ブレーキペダルを踏んだ時、効きはじめる位置が奥深くなります。頻繁にブレーキを使用する状況では本来の位置に戻るので、突然ブレーキの効きがわるくなったように錯覚させられることもあります。





W209の前ハブは、大昔から変わらないテーパーローラーベアリングで保持されています。
破損や滑りの痕跡はありませんが、全体の損耗状況はガタの発生を裏付けるものでした。



アウターレースを抜き取った後、ハブの接触面をクリーニングするために、3Mのスポンジ研磨剤を使用しました。FTECで普段使用している材料が切れたために試した物ですが、パッドの厚さと密度が今回の作業にちょうど良く、大変重宝しました。



抜き取ったベアリングはNSK(日本製)、新しいベアリングはTIMKEN(フランス製)。



スピンドルに鍛流線を見つけました。これも最近のクルマではあまり見かけません。



ディスクパッドは前後とも純正品を、前左右ディスクローターはジマーマンのOEM品を使用しました。キャリパーサポートを清掃してスライダーに給脂し、組上げ後にブレーキオイルを交換して完了です。





メルセデスベンツに乗るなら、ブレーキは最高の状態を維持したいものです。

緊急時のフルブレーキングで四輪が沈みこみ、重心が地面に突き刺さるような減速ができることは、メルセデスベンツの大きな美点のひとつなのですから。


おまけの動画は、メルセデスベンツのTVコマーシャルです。
2006年式から選択可能なブレーキアシストシステム、「BAS Plus」を紹介しています。



リアルな緊迫感とユーモアのセンスが同居していて、印象深い出来映えですね!