埼玉県狭山市の自動車整備工場、FTECコーポレーションが、主に特殊整備にカテゴライズされる業務内容を紹介するブログです。

BMW Z3のヘッドライト交換

BMW Z3 ロードスター(E36/7)です。
純正ヘッドライトのレンズが曇りきってしまったので、改善のために入庫しました。


ヘッドライトAss'y を、オーナーが選んだ台湾製の社外品に交換するメニューです。

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BMW Z3 ロードスターは、ベースグレード1.9 リッターのデビューが1997年、最終型の生産終了が2002年。その間、多岐にわたるアップデートが施されたクルマです。
この最初期型には、最軽量という美点があります。


ヘッドライトレンズは、当時流行しはじめていた樹脂製です。
経年による傷や曇りに悩まされているオーナーも多いことでしょう。


このライトのレンズは、研磨などの処理でリカバリーできる状態ではありませんでした。
交換にあたり、バンパーとフェンダーを養生してライトアッセンブリーを取り外します。


仮組付けの後、防水処置を追加するために一旦取り外します。


一般的なシリコンシーラントより柔軟な仕上がりで、経年によるヒケが少ないのが特長。
そして、酢酸に似た強烈な異臭がする薬剤です。

強烈な異臭ゆえ、乳児が口にする心配はなさそう。

ターンシグナルライト(ウインカー)の配線が短く、延長が必要に。
このへんの行き届かなさは、社外品では日常茶飯事です。


FTECで使用している汎用配線は、古河電工ビーメックスという製品です。
125℃での連続使用を保証する難燃性の被膜と、はんだとの親和性の良い芯線が特長。
色のバリエーションが以前より減ったとはいえ、品質への信頼は揺るぎません。


ボディパネルとのチリを入念に合わせて再度組付けます。
この時点でライトは、あさっての方向を照らしています。
光軸の調整幅が足りなければ、再度組み直しが必要になります。


作動テストの後、ヘッドライトテスターで光軸を調整。調整幅は足りました。
配光パターンも予想より優秀で、このまま車検に望めそうな品質です。


社外品の品質は玉石混交で、買ってみなければ判らないというのが実情です。
対象車種の年式が古くても、最近発売された製品は良くなってきているということでしょう。


きちんと性能が確保できると、精悍さが一層際立ちます。
光の色も純正風で、地に足がついた大人向けに仕上がったのではないでしょうか。



このように、純正から社外品への交換作業は不測の要素が含まれます。
そのため、FTECでは即日対応ではなく、すべてお預かりしての作業としています。
やっつけ仕事と差が出るのが数年後だとしても、FTECは品質堅守で承る所存です。

【追記】

同型のヘッドライトにHIDとLEDを組んだ例を記事にしました。